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バカな男に私は夢中
第9章 初彼

「んな..」

ベンチから立ち上がると、座っている私の前に立った。

コホン、と咳払いをして私を見つめる。

(何が始まるの....)

「伏見百合さん。」

「え?」

「はい、やろ!」

ムッとしたように斎藤が言う。

「..はい。」

「僕と付き合うて下さい!」

「うん。」

「ほんまか!?」

パアアと顔が明るくなる。

「え、いや、違う!」

「えぇ!?」

今度は一気に肩を落とした。

(だって....)

「付き合うって何すればいいのかわかんないし..受験生だし。」
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