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バカな男に私は夢中
第9章 初彼

「どうしたの?」

何も言わない斎藤を見上げると、

「い、いや..何もない..」

と目を逸らした。

「?」

そして腕時計を見ると、

「もう時間やわ!早よ帰らなあかんな。」
そういってくるっと身体を反転させ、私の家へ向かった。

「ま、待ってよ!」

(どうしたんだろう?私が下手だったからかな?)

急いで彼を追いかける。

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