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バカな男に私は夢中
第10章 欲望

「ちょっ..斎藤くん..」

ただならぬ気配を感じて目を逸らす。

「マキと賢治は帰ったで。」

「え?でも荷物..」

「使わんもんだけ置いていった。明日俺が持っていくんや。」

「うそ..じゃあ..」

(もしかしてワザと!?)

私はチラッと斎藤を見上げた。

目が合う。

「あ..さいとう..くん....」

(これは..これは....)

ゆっくり顔が下りてくる。

目がそらせない。

「....んうっ....」

腕で身体を支えながら私の上に軽くのしかかって、唇を重ねられた。
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