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バカな男に私は夢中
第18章 惜別
帰りの新幹線で、私と咲は黙りこくっていた。
(あーあ..終わったら呆気ないもんだな。しかも二股って。)
私は自虐的に笑って窓の外を見た。
(この風景も何回も見て...寂しいなって..早く次会いたいなって....)
そんな気持ちを思い出して涙が溢れてきた。
(好きだった..優しい彼も、はしゃぐ姿もキザなセリフ吐いて照れる俊介も..)
「..さよなら..」
「....ぇ..?」
「ううん、何でもないの。さ、帰って新しい男でも見つけるかな!」
私がごまかすように言うと、咲が小さく笑った。