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バカな男に私は夢中
第3章 接吻

「....」

私は一つの問題で悩んでいた。

(何でここがこうなるの....)

ずっと睨んでいると、スッとシャーペンが伸びてきた。

「きゃあ!」

「あ、ごめん。これさっきがだいぶ悩んどるから、分からんのか思て..」

斎藤はそういうとすぐに手を元に戻した。
「....別に悩んでないわよ。」

強がって言い返すと、そっか、とまた自分の勉強に戻った。

(..また先生に聞こう..)

私はそう思って次の問題に移った。

(..けど気になる....!)

新しい問題をしながら、頭はさっきの一問を行ったり来たりしていた。

するとクスクスという声がしてきて、顔をあげると斎藤がこちらを見て笑っていた。

「..なに..気持ち悪いわね。」

「いや、さっきからチラチラ隣の問題見すぎやろ!」

「....っ..」

恥ずかしくなって顔が熱くなる。
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