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バカな男に私は夢中
第21章 誤解

私は回した手に力を入れた。

(俊介..俊介..!)

「..百合ちゃんから手紙きて、何回連絡しても繋がらんくて..心配した。会いに行ったら他の奴と笑とるん見て、もう終わったんや、てわかった。別れてから、俺抜け殻みたいやった。」

ゆっくり身体を離して見上げると、俊介の頬が涙に濡れていた。

それを手の平で拭うと、その手を包みこまれた。

「そんで昔みたいに、女抱いて..苦しくて仕方なかったんや..ごめん..こんなん言い訳にしかならんけど..」

咲と同じだと思った。

咲も苦しくて、寂しくて、男を愛せなくて。だから身体を使って側に誰かがいる温もりを感じようとしている。

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