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バカな男に私は夢中
第5章 心惹

慌てて周りを見回すと、電車がいったばかりで人は全然いなかった。

「..さっきの彼氏か?」

「は?」

急な問いに目が点になる。

「さっきの背ぇ高いのんや!」

「いや....え、どうして知って...あんたまさかつけてきたの?」

私は思わず後ずさった。

「帰ろう思て、駅向かいよったら二人が手振っとって...百合ちゃん..めちゃめちゃ笑ろとった....」

「あれは....」

「俺、百合ちゃん取られたない。」

「は?なにいって..」

私が戸惑っていると、こちらに歩いてきて目の前で立ち止まった。

「百合ちゃんが好きや。」

「!?」

「関わるなゆわれても、好きなんや!」

「ば、ばかじゃ..」

「俺と付き合うて。」

私は驚いて口をポカンと開いたまま、目の前の男を見た。
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