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こころから
第21章 久美子10
そしてまた抱き締められる。
今度はぎゅうっと抱き締めるのではなく、
壊れ物でも扱うように優しく、
そっと丁寧に。
手が自由になっていることにも気づかず、
私は彼からのキスを受け続ける。
彼の吐息で耳が熱い。
彼の指先が背中をやわらかく引っ掻いていく。
彼の胸の鼓動が伝わってきて、
彼もすごくどきどきしているのがわかって、
こっちまで胸が締めつけられる。
こんなに大切そうに扱ってくれるなんて……
こんなに愛おしそうに見てもらえるなんて……