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こころから
第24章 直人12
 冗談で言っている表情ではなかった。

「欲しい……
直人くんの赤ちゃん、欲しい……」

 そう言いながら、慣れない様子で、
でも懸命に腰を振る久美子さんを下から見上げながら、
感動に震える。
名前を呼んでくれた感動と赤ちゃんが欲しいと言ってくれた感動。
ふたつの大きな感動にいっぺんに襲われて、
ぼくはもう何が何だかわからなくなりはじめていた。
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