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こころから
第27章 久美子13
「大声で自慢したいです。
ぼくたちさっきまでセックスしてました。
めくるめく官能の時間でした。
男と女じゃなく、オスとメスって感じでした。
このひとなんか足腰立たないくらいだったんですよー、
なんてね」

「やめてよ、声が大きいわ。
それに誇張し過ぎ。ちゃんとひとりで歩いてるでしょう?」

「ベッドから降りたときのこと、もう忘れちゃったんですか?
産まれたての小鹿みたいってよく聞く比喩だけど、
実際に見たのは初めてでしたよ」

「うるさい」

 思い出して顔が熱くなった。
膝にも腰にも全然力が入らなくて、
自分でもおかしいくらいがくがくだったのだ。
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