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こころから
第30章 直人15
「食事はいいわ。遅くなっても帰ってから食べる。
いつもそうしてるの」
そう言われて、久美子さんも早く抱き合いたい、
と思ってくれているのかと一瞬期待したが、
すぐにそうではないとわかった。
ラブホテルを使うのは、
まるでそれだけが目的のような気がして嫌だったので、
ぼくはビジネスホテルのセミダブルルームを予約していた。
食事もつかない素泊まりのみだが、
チェーン展開でどの地方にもあり、部屋がいつも清潔なので気に入っている。
チェックインを済ませ、ふたりでエレベーターに乗る
部屋まで待ちきれずにぼくは久美子さんを抱き締めた。
「やめて。ここカメラついてるわ」