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こころから
第3章 久美子1
 目を閉じて感じているふうに声を出してみる。
思いのほか甘い声がでる。
でも頭の隅に醒めた自分がいて、乗っていけない。
濡れていないあそこは触れられるのを拒否するみたいに、
ひりひりと痛みを伝えてくる。
唾液で指を濡らそうかと考え、
それはなんだかすごく悲しいのでやめた。

 諦めて天井を見上げた。
もう女は卒業なんだなーと認めざるを得ない。

 電源の入っていないテレビの画面に私の姿が反射している。
ブラウスの前をはだけさせ、
スカートはだらしなく捲れあがってパンツが丸見え。
誰得?
と嘲笑う声が聞こえた気がして泣きたくなった。
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