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こころから
第1章 直人
ひっくちょっ
女性の抑えたくしゃみが耳に届いた。
抑えることで余計にお腹に力が入ってしまうのだろう。
くしゃみのしたほうに目を動かすと、
その視線を感じたように向こうもこちらを見た。
色白なので、目元の朱がよく映える。
その目で見つめられるといまだにどきっとする。
お互いにだけ通じる目の合図を送ると、
彼女はほんのわずか恥ずかしそうに表情を崩し、かすかに頷いた。
明るいグレーのパンツスーツ。
隙のないそのスーツの下には、
華奢な体が隠れていることをぼくは知っている。
頼りなく見えるほど細い首。
ゆるくウェーブのかかった髪は、
後ろでひとつにまとめられている。
彼女がスマホを操作しているなと思ったら、ラインが届いた。
女性の抑えたくしゃみが耳に届いた。
抑えることで余計にお腹に力が入ってしまうのだろう。
くしゃみのしたほうに目を動かすと、
その視線を感じたように向こうもこちらを見た。
色白なので、目元の朱がよく映える。
その目で見つめられるといまだにどきっとする。
お互いにだけ通じる目の合図を送ると、
彼女はほんのわずか恥ずかしそうに表情を崩し、かすかに頷いた。
明るいグレーのパンツスーツ。
隙のないそのスーツの下には、
華奢な体が隠れていることをぼくは知っている。
頼りなく見えるほど細い首。
ゆるくウェーブのかかった髪は、
後ろでひとつにまとめられている。
彼女がスマホを操作しているなと思ったら、ラインが届いた。