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こころから
第34章 直人17
「そんなに近くで見ないで。恥ずかしいわ」
静かで穏やかな声で久美子さんが言った。
ときどきまだ、ぼくのをきゅうっと締めつけてくる。
存在を確かめているように。
「すごく綺麗ですよ」
ぼくもゆっくりの口調で答える。
一文字一文字、心を込めて。
「小皺いっぱいあるのよ。綺麗なわけないじゃない」
眉間のあたりにキスをすると、久美子さんは目を閉じた。
「全然気になりませんよ。自己採点厳し過ぎです」
「直人くんの、私への評価が甘過ぎるのよ」