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こころから
第37章 久美子18
 ぎゅうっと抱き締められて、
直人くんの胸板に体をぐいぐい押しつけられ、
直人くんの体温に温められて、
直人くんの心臓の鼓動が胸に響いてきて、
直人くんの匂いに頭がくらくらして、
結局私は泣き出してしまう。
お願い捨てないで、と、
言葉にはしないけどそう心を込めて直人くんを抱き返す。
直人くんの大きな手が、私の頭をそっと撫でる。
手のひらが、後頭部から頬に流れてくる。
私は彼からのキスを受けるために上を向く。
優しい目。
とても愛おしそうに私を見てくれる。
耳元で、大丈夫ですから、と囁かれ、
涙がぼろぼろと流れ出て、
直人くんがそれを大切そうに舐めてくれて、
もう胸が苦しくなるほどせつなくなってきて、
愛してます、と言われながらキスされるともう何かが弾け飛んでしまって、
くちのまわりがよだれまみれになるほどべろべろのキスをしながら、
乱暴に服を脱がせあう。
早く肌を密着させたくて、
何でこんな邪魔なもの着てるのってもどかしくなる。
前戯など必要ないほど、
直人くんはびんびんで私はびちょびちょで、
ベッドにもつれ込むのとほとんど同時にふたりは繋がる。
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