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こころから
第38章 直人19
腕の中に久美子さんがいる。
セックスのあと何も身につけていないままで、
無防備にリラックスしてくれている久美子さんを抱き締めている。
改めてその現実を直視すると、いまだに動揺する。
こんなに幸せなことがあっていいのか。
「久美子さん、明かりつけていいですか?」
「だめ」
もう幾度となく肌を重ね合わせているのに、
久美子さんはまだ明るいところで裸を見られるのを嫌がる。
おばさんになった体を見られるのが恥ずかしい、
というのがその理由らしいが、
それになんのデメリットがあるだろうか。
恥ずかしがる久美子さんが見られるので、
むしろメリットしかない。