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こころから
第40章 直人20
 久美子さんがいたずらっぽく笑い、
体をねじって腕をぼくの首に巻きつけてくる。
ちゃぷっと音がしてお湯が揺れる。
口を開けて舌を出してくるので、ぼくたちはお互いの舌を舐め合った。

「腰になんか硬いものが当たってるんだけどー」

「久美子さんも、お湯の中でもぬるぬるしてるのがわかりますよ」

 ぼくたちはもう一度べっとりとキスをした。
久美子さんが名残惜しそうにぼくの唇を噛む。

「だめ、またしたくなっちゃう。もう時間ないわ」

 未練を断つように、せーの、で湯船を出た。
お互いの体を拭き合いながら、
何度も笑い、幾度となく唇を合わせる。
お互いの愛を確認するのに、キスは最適だと思う。
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