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こころから
第41章 久美子20

 生活にメリハリがつき、
以前より体が軽くなった自覚がある。
女だということを、実感できている。
去年くらいはもうほとんど女を諦めていたのに。

 普段通りに出社して、いつも通りの業務をこなす。
会社にとってはよくないことだけど、
不景気のせいで仕事は減っている。
もっとも家族には、
相変わらず忙しくてバタバタしていることになっているのだけども。

 直人くんとの交際は順調に進んでいる。

 週に一、二回、定時で終われる日があって、
その日ごとに、直人くんは私を抱いてくれる。
それだけの日数になるとホテル代がすごいことになってしまうので、
最近では直人くんの部屋に通うようになった。
別々に会社を出て、電車の時間をずらし、
別々のタイミングで、マンションのエントランスを通る。
直人くんが先に帰っていることもあるし、
合鍵をもらっているので私が先に着くこともある。
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