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こころから
第4章 直人2
「どうしたの、行こう?」
美香に促され、歩きはじめた。
「驚いたよ、若いお母さんだね」
「そうでしょう?
あたしもああいうふうになりたいなーって思ってるの。
母が理想の女性って、ちょっと恥ずかしいけどね」
美香の母、牧原部長の、
会社では見たことのない優しそうな笑顔が、
瞼に焼きついていた。
「ねえ、うちのママ、いくつに見えた?」
「え? さあ、さんじゅう……」
そこまで言いかけて、おかしいと気づくと同時に美香にも腕を叩かれた。
「ばかね、あたしのママなんだから三十代はおかしいでしょ。
いったいあたしをいくつで産んだのよー」
美香に促され、歩きはじめた。
「驚いたよ、若いお母さんだね」
「そうでしょう?
あたしもああいうふうになりたいなーって思ってるの。
母が理想の女性って、ちょっと恥ずかしいけどね」
美香の母、牧原部長の、
会社では見たことのない優しそうな笑顔が、
瞼に焼きついていた。
「ねえ、うちのママ、いくつに見えた?」
「え? さあ、さんじゅう……」
そこまで言いかけて、おかしいと気づくと同時に美香にも腕を叩かれた。
「ばかね、あたしのママなんだから三十代はおかしいでしょ。
いったいあたしをいくつで産んだのよー」