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こころから
第5章 久美子2
「ただいま。パパ、ゴルフはどうだった?」
「わかってて聞いてるだろ?」
うん、と言って笑う。
美香は悪びれない。
夫のゴルフの腕前は技術的にすでに頭打ちで、
年齢から飛距離もどんどん落ちていて、スコアは下がる一方らしい。
「ビール一口ちょうだい」
「お前の一口は多いからなー」
平和だ、とくすりと笑う。
「私もちょっと貰おうかな」
シンクからコップを出す。
夫は、おいおい、と言い、呆れた顔をしながら、
もう一本冷蔵庫からビールを取り出した。