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こころから
第6章 直人3
昨日まで、牧原部長を女性と認識していたが、
女性として見ていなかった。
牧原部長は上司だ。
性別など関係なく、あくまで上司。
それ以外の目で見ていなかった。
見ようとしていなかった。
綺麗なひとだが、遠くから眺めるだけのひと。
地位も年齢もぼくには釣り合わない。
無意識にそう理解し、目を合わせないようにしていたらしい。
でももう見てしまった。
鎧のようなスーツを脱ぎ、
女性らしい衣服に身を包んだ牧原部長。
くっきり思い出せるあの笑顔。
娘を見る優しそうな目。
愛おしくてたまらないという表情。
女性として見ていなかった。
牧原部長は上司だ。
性別など関係なく、あくまで上司。
それ以外の目で見ていなかった。
見ようとしていなかった。
綺麗なひとだが、遠くから眺めるだけのひと。
地位も年齢もぼくには釣り合わない。
無意識にそう理解し、目を合わせないようにしていたらしい。
でももう見てしまった。
鎧のようなスーツを脱ぎ、
女性らしい衣服に身を包んだ牧原部長。
くっきり思い出せるあの笑顔。
娘を見る優しそうな目。
愛おしくてたまらないという表情。