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こころから
第9章 久美子4
そしてこれまた奇妙なことなのだけど、
坂井くんが娘の彼氏だとわかってから、
つまり坂井くんが私のことを、
自分の彼女の母親だと認識してからだと思うのだけど、
急に彼の距離感が近くなったように思える。
最初は気のせいだと思った。
娘の彼氏だと意識した私の思い違いだと思っていた。
でもそうでない気もする。
一緒に並んで歩くとき、電車で隣同士に座ったとき、
ふたりの間にあった隙間が半分くらいになったと思う。
油断していると、肩や肘がぶつかってしまうくらい。
あまり近くに寄られると緊張した。
おばさんだって加齢臭が気になるのだ。
気づくたびに避けられてると思われないように注意しながら離れるのだけど、
すぐにまた元のスペースに戻っているのだった。
坂井くんが娘の彼氏だとわかってから、
つまり坂井くんが私のことを、
自分の彼女の母親だと認識してからだと思うのだけど、
急に彼の距離感が近くなったように思える。
最初は気のせいだと思った。
娘の彼氏だと意識した私の思い違いだと思っていた。
でもそうでない気もする。
一緒に並んで歩くとき、電車で隣同士に座ったとき、
ふたりの間にあった隙間が半分くらいになったと思う。
油断していると、肩や肘がぶつかってしまうくらい。
あまり近くに寄られると緊張した。
おばさんだって加齢臭が気になるのだ。
気づくたびに避けられてると思われないように注意しながら離れるのだけど、
すぐにまた元のスペースに戻っているのだった。