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こころから
第12章 直人6
オフィスの一番奥に座る牧原部長を眺める。
モノクロの世界が、そこだけ明るく彩られているように見える。
彼女の旦那がうらやましい。
もうだいぶ記憶が薄れてしまったあの笑顔。
毎日笑いかけてもらえるのだ。
いつでも触れることができるのだ。
無防備な寝顔や寝起きの顔。
他のだれも見ることができない姿を、
旦那だけは見ることができるのだ。
旦那には、見せているのだ。
担当を変えられてしまうかもしれない。
ぼくの代わりなどだれにでもできる。
牧原部長が他のひとを指名すれば、はい終わり、だ。
ぼくには成す術がない。
諦めるべきなのだろう。
諦めるには好きになりすぎているが、もう無理だろう。
自宅のパソコンの動作が重くなるほど膨れ上がった熟女・人妻フォルダを、
消去するところからはじめようか……
モノクロの世界が、そこだけ明るく彩られているように見える。
彼女の旦那がうらやましい。
もうだいぶ記憶が薄れてしまったあの笑顔。
毎日笑いかけてもらえるのだ。
いつでも触れることができるのだ。
無防備な寝顔や寝起きの顔。
他のだれも見ることができない姿を、
旦那だけは見ることができるのだ。
旦那には、見せているのだ。
担当を変えられてしまうかもしれない。
ぼくの代わりなどだれにでもできる。
牧原部長が他のひとを指名すれば、はい終わり、だ。
ぼくには成す術がない。
諦めるべきなのだろう。
諦めるには好きになりすぎているが、もう無理だろう。
自宅のパソコンの動作が重くなるほど膨れ上がった熟女・人妻フォルダを、
消去するところからはじめようか……