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こころから
第12章 直人6
次のチャンスはなかなか訪れなかった。
打ち合せから出張。
出張中は昼食もだいたい一緒にとる。
行動を共にしている時間はかなり多い。
家族をのぞけば、ぼくが一番だろう。
それなのにだめだ、怖気づいている。
あれ以来、あからさまに避けられている。
目も合わせてくれない。
ぼくからの好意に感づいて、
ガードを固めてしまった気がしてならない。
調子に乗り過ぎてしまったと、反省している。
牧原部長から見たら、ぼくなどただのガキなのだろう。
部長の長男と同じ年なので当然だった。
そもそも最初から恋愛対象になど、なり得なかった。
初手から詰んでいたのだ。
今頃気づくなんて恥ずかしい限りだ。