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こころから
第17章 久美子8
「じゃあ私も入るけど、絶対に覗かないでね」

 冗談めかして言ったけど、
笑ってくれなかったので変な感じになった。
私も浴衣を持ってバスルームに入る。
中はもうもうと湯気で満ちていて、
やっぱり坂井くんの体臭が残っていた。
しっかりと鍵をかけて、服を脱いでいく。
すっぽんぽんになって坂井くんの体臭に包まれていると、
どきどきしてきた。
自分の子どもみたいな年齢だけど、
しっかりと男のひとの匂いがしていた。

 男のひとと同じ部屋で順番にシャワーを浴びているなんて、
ラブホテルにきたみたいだな、と考えていると、顔が熱くなってくる。
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