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誰も知らない君の顔
第7章 揺れる決意
「い、いいよ・・・気にしてないし」

「あの・・・良かったら弁償させてもらえませんか?」

「はっ!?い、いいよ、マジで!」

「でも・・・あの・・・」

俯きながら何かを言いたそうにする仕草が可愛い。あの取り巻き集団もそう思ってるんだろうが・・・あいつらはこの清楚なお嬢様の本性を知ってるんだろうか?

知る訳ないか・・・。

「あの・・・。冬吾さん・・・怒ってますか?」

「え?」

「何か・・・冷たい・・・」

な、何だ・・・この展開??社内で話し掛けて来るのも意外なのに・・・冷たいって言葉。

「あんなはしたない事・・・したから・・・やっぱり怒ってますよね・・・」

上目使いで見る視線に耐えきれず俺はその視線を逸らした。

まとわりつくような・・・あの時のキスのような、絡みつくような視線。

「怒ってないよ・・・」

「本当ですか?」

「うん・・・」

良かった、とホッとする表情。そこで疑問が湧く。
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