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My Godness~俺の女神~
第12章 【喪失、そして再生~ここではないどこかへ~】♣海の女神♣
すべて語り終えた後、眞矢歌は長い吐息を落とした。それは長年一人で抱え続けてきた鬱屈を吐き出した、安堵の溜息に見えた。
悠理はこの時、思った。
この女―眞矢歌は俺と同じだ。過酷な現実から眼を背け、ひたすら逃れたいと思い続けた。彼もまた、ここではないどこかへ行きたいと願っていたのだ。早妃や実里、我が子の想い出から逃れて、誰も自分を知らず、自分もまた誰一人知る人のいない遠い町で暮らしたいと思っていた。
悠理はこの時、思った。
この女―眞矢歌は俺と同じだ。過酷な現実から眼を背け、ひたすら逃れたいと思い続けた。彼もまた、ここではないどこかへ行きたいと願っていたのだ。早妃や実里、我が子の想い出から逃れて、誰も自分を知らず、自分もまた誰一人知る人のいない遠い町で暮らしたいと思っていた。