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貴方に染まる
第2章 Ⅱ

何が起きてるんだ、と考える余裕もなく、男は私に覆いかぶさってくる。



「名前は?」

「え…」


今更?

私の事知らないのに家に連れてきたの?

この人の頭どうなってんの?



「華」



一言そう言えば、「華か…」と少し嬉しそうに指の甲で私の頬を撫でた。


「そっちは?」


そう言えば私もこの人の名前を知らない。


寧ろ、学校の人の名前なんて誰も知らない。


私が名前を聞けば、その人は僅かに目を見開いて驚いているようだった。



「蘭…だ」



名前までも中性的なのね。



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