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貴方に染まる
第10章 Ⅹ

その後も少し前田くんとは当たり障りのないことを話したけど、私は疲れてしまってトイレに行くと嘘をついて教室を出た。


スマホだけ持ってどこかで時間を潰そう。


あと30分もすればお昼休みだし。



蘭の教室の前を通り過ぎる時、黒板に自習と書かれていたのが目に入った。

B組も自習だったんだ。



それなら蘭に屋上に行ってると言おうとしたけど、教室の中を見ると蘭の机の周りには女の子たちが群がっていた。


これは声をかけられそうにないと思い、LINEで『先に屋上行ってるね』とだけ送っておいた。



迎えに行くと言われていたし、何も言わずに迎えにこられて私がいなかったらまた起こるかもしれないから。





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