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貴方に染まる
第10章 Ⅹ
屋上の重い扉を開けると、ベンチが3つ置いてあって私は一番端に置いてあるベンチに座った。
梅雨前の暑くもなく、寒くもないこの季節の外は気持ちいい。
屋上には初めて来たけど、こんなに気持ちいいならもっと早くに知りたかった。
空に浮かぶ雲を心を無にして眺めていると、勢いよく扉の開く音がして、その後「華っ!」と私を呼ぶ声が聞こえた。
「え?もう授業終わった?」
まだここに来てから10分くらいしか経ってないと思うけど。
「華からLINEきたの見たから来た」
「そっか」
「授業サボることなんてなかったのにどうした?」
「うん、ちょっとめんどくさくなって逃げてきちゃった」