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第5章 Ⅴ

眠りから覚めると、最近見慣れた空間が目に入ってくる。


そして背中には温もり。



寝起きなのに、今の状況はすぐに把握できた。






私はあの後、寝てしまったらしい。



横を向いて寝ていた私は後ろから蘭に抱き締められるような形になっている。



窓の外はもう薄暗くなっていて、視線だけ泳がせれば、時計の針が18時を過ぎていることが分かった。



腰に回っている腕を解いて起き上がろうとすれば、


「華……？」


と、蘭の寝起きの掠れた声がした。




「帰らなきゃ」



そう言えば、蘭の腕は力を増した。