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貴方に染まる
第5章 Ⅴ
「好きじゃないから」
「付き合ってるうちに好きになるかもしれないだろ」
「じゃあ好きになれなかったらすぐ別れてくれるの?」
負けじと言い返していれば、蘭は言葉に詰まったようだった。
少し考えて、漸く口を開いたかと思えば、
「分かった」
と言い出す。
「一年で俺を好きにならなかったら諦める」
「一年も……」
結構長いな…。
蘭は勝ち誇ったような顔で「決まりな」と言いながら頬を撫でてくる。
「俺の女だ」
まるで獲物を捉える前の獣みたいにその目は鋭かった。