この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
貴方に染まる
第7章 Ⅶ
「ごめん、調べさせた……」
蘭はそう言って、私の隣に座った。
「調べたって…私の事?」
「金を使えば何だってできる。俺は綾瀬の跡継ぎだから」
「綾瀬って、もしかして…」
「そう、綾瀬グループ。俺の親父が社長だから」
日本でも3本の指に入るであろう大企業の綾瀬グループ。
その3社の中でも一番規模が大きくて、きっと知らない人はいない。
そう言われると、蘭の言っていたことが頭をよぎった。
───「どいつもこいつも媚び売るような奴ばかり俺の周りに群がってくる」
きっとブランドのような扱いを受けて、蘭自信を見てくれる人なんていなかったんだろう。