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貴方に染まる
第7章 Ⅶ
蘭のことが少し可哀想だと思ったけど、そんな事で今までの事を許すなんてことはできない。
どこまで私のことを調べたのかは分からないけど、蘭はほとんど知ってるんだろう。
私が親から愛されてないことも、家でいつも一人なことも。
「どうして蘭の両親は家にいないの?」
「親父は会社の近くにもうひとつ家がある。お袋もそっちにいるからこの家には帰ってこない」
「そうなんだ」
「こっちは使用人も住んでる。下の階は使用人の部屋。2階には限られた人しか入れない」
確かにこの家に入ってくる時は色んな人を見たけど、2階に上がると決まった使用人の人しかいない。
掃除も洗濯も食事も全部やってくれるなんて、私には天国でしかないけど…。