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Stand by me
第13章 悪魔
状況が把握できないのか、したくなかったのか、
私はその場から動くことができなかった。


「はーちゃん、ミーちゃんの部屋におり」

「ありがと…」

ミーちゃんのベッドに腰掛けた私の目からは
ポロポロと大粒の涙が溢れていた。


穏やかな美里さんが怒っていた。


「ミーちゃん、華の部屋ね、ミッチーの部屋の音めっちゃ聞こえんねん。
だからもうちょっとここいていい?
でも迷惑やったら、リビングで寝るし…」


「もちろんやん!ここおりー!」

楽しい夜ご飯だったのに、一気に暗くなった。


眠たくもならないし、ただただ涙が溢れた。


「ほんま、腹立つわ!ちょっと言ってくる!」

美里さんはそういうと、一目散に路永さんの部屋へと向かい、ドドドドドンっとノックをした。


「ミチさーん、きこえますかー!出てきてくださいー!」


しばらくすると路永さんが出てきた。

「なに?」

「いや、何じゃないですよね?状況悪いですよね。
それに契約違反です。
泊まるんですか?
彼女がいることによって私達寝れないんですよ。
すぐに帰ってもらってください。」


「そうだよね、ごめんね。ほんとごめんね。
もうすぐ帰ってもらうから。」


エリカさんに聞こえないようにか、路永さんは小声でしきりに謝った。


すぐに部屋の扉をしめて、エリカさんに話したんだろう。

ドア越しにエリカさんの、
「は?むっちゃウザいねんけど!」という声が聞こえた。


その夜、エリカさんが帰ることはなかった。


私はリビングのソファに寝転び、目を閉じて朝を迎えた。

6時ごろにそーろっと帰っていく音が聞こえた。
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