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Stand by me
第15章 苛立ち
エリカさんが家に来て、真っ先にしたこと、
それは、テレビの前に置いてあった、
私がバレンタインにあげたビールの缶を捨てたことだった。

そして、キッチンを自分仕様に変えた。

あまり人のことを嫌いと思わない私だけど、この人のことが心の底から嫌いと思った。


3日後、引越しの日がやってきた。

使った部屋を綺麗に片付けた。

思い出いっぱいのこのソファともお別れ。



最後掃除機をかけていると、部屋から路永さんが出てきた。
エリカさんも一緒に。

どこか出かけるようだった。


路永さんが私の部屋に来た。

「はーちゃん、荷物全部持っていけんかったら置いててもいいからね」
「掃除機とかせんでいいよ」
「他には…あ、鍵はリビングの机置いといて。
それと…」


「ちょー、はよしてや!」

玄関でエリカさんが叫んだ。


路永さんと、最後のお別れの言葉も交わすことが出来なかった。

そして、何も言わず彼は去って行った。

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