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プリンスの誘惑
第3章 ~腹黒王子~ (前編)
シェードさまは遠くで聞こえるワルツに合わせ、優雅にわたしをリードしてくれた。
わたしの胸は高鳴り続ける。
会えただけでも奇跡なのに、今こうして目の前でわたしと踊ってくださるなんて。
夜の風が熱くなる頬を吹き抜ける。
「風が出てきましたね……寒くないですか?」
優美な表情で、わたしの瞳をのぞき込むように見ながら、シェードさまは腰に回した腕を強め、更にカラダが密着する。
わたしは首を横に振る。
熱くなる肌に心地よいぐらい。