この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
プリンスの誘惑
第3章 ~腹黒王子~ (前編)

月夜の光と僅かなランプのあかりが灯す部屋。
奥は薄暗くよく見えないけど、それなりの広さだというのはわかる。
シェードさまは、天蓋付きのベッドのカーテンをくぐり抜け、わたしをベッドの上に下ろした。
シェードさまは……本気なの……?
「あ……っ」
「どうされました?」
シェードさまはわたしの胸元のリボンに手をかけた。わたしは思わず、シェードさまの手を握る。
「……アザレア?」
まるでわたしのほうがおかしいみたいにシェードさまは不思議そうに問いかけてくる。
握ったシェードさまの手。
胸が苦しいほど高鳴っている。

