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プリンスの誘惑
第3章 ~腹黒王子~ (前編)

さすりと、シェードさまの指がわたしの唇をなぞる。
「ま、待って下さい……わ、わたし……」
「アザレアは、ワタシのことが嫌いなのですか?」
嫌いなわけではない。
ほんの数日前に出会い想いを寄せた方。
でも、でも、状況がわからない。
シェードさまはわたしの王子様で、でも、本当にこの国の王太子様で……しかも、しれっと求婚までされて……パニックにならない方がおかしいぐらい。
そんな時に、こんなことできるわけが……
わたしの心臓はもう爆発してしまいそう。
「アザレア……あなたは意外に大胆なのですね」
「えっ?」
「さっきから……ずっと埋まっているのですが……ワタシの手……触れても宜しいのでしょうか?」

