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生きること、思うこと
第328章 千の風になって

無理もありません。
大好きだった母親が亡くなったのです。
私も同じでした。
大好きだった母を亡くした後、どれ程嘆き悲しんだことだろうか。
なので、木下さんにもこう言ったのです。
「今は沢山泣きなさい…それが一番いいのだと思うよ…」
沢山泣いて、沢山の思い出を思い出してただ泣いてあげれば良いのだと思うのです。
でも、木下さんには私の様に自責の念を感じて欲しくはありませんでした。
泣いて、泣いて、泪が乾ききった後に元気にお母様の分まで生きてゆけばそれでいいのです。
お母様はもうこの世にはいないかも知れません。
でも、千の風になって私たちの近くにいつも居てくれるのです。
『秋には光になって、畑に降り注ぐ…』
『冬はダイヤの様に、煌めく雪になって…』
『朝は鳥になって、あなたを目覚めさせる…』
『夜は星になって、あなたを見守る…』
『千の風になって、あの大きな空を、吹きわたっています…』
残された私たちにできる事は、いつまでも悲しんで泣いている事ではなく、その大切な人を亡くした事への執着を捨てて、亡くなった人の分まで精一杯生きてゆく事なのではないでしょうか。
執着しているといつまでも亡くなった人は成仏できないと聞いた事があります。
今は私も亡くなった母や父、彼氏さんに対してこう思っています。
「沢山の愉しい思い出をありがとう…向こうの世界で幸せになってね…私も幸せになります…」
木下さんもお母様の死を受け容れて、乗り越えて楽になれるといいな。
そんな風に思っています。
最愛の人との別れはとても辛くて悲しいものです。
ですが、亡くなった人達はいつも私たちの傍にいてくれるのです。
そう、千の風になってあの大きな空を吹き渡っているのです。
そして、私たちをいつも見守ってくれているのです。
その事に心から感謝したいと思うのです。
今日も最後まで読んで頂きありがとうございます。

