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そんなの聞いてない!!
第3章 ウソもホウベン


七隈のナカはあったかくてグチョグチョに濡れていて、あまりの気持ちよさに我慢汁か精液か、どちらかわからないけど少しだけ漏れ出た気がした。


「ちょ、そんな激しくしたら、出るって!」

「あ……千紘くんの、気持ちぃ……」


七隈が目を細めて吐息混じりにつぶやく。


「……煽ってんの?」


――煽ってるとしか思えん!


「ねぇ……わかってる? いま生で入ってんだよ、俺のちんこ。このままナカで出したら、妊娠しちゃうかもよ?」

「妊娠……」

「この前はたまたまセーフだったけど……今日のいづみのまんこ、すげぇグチョグチョだから、やばそう」


七隈の腰を掴んで陰茎を突き上げる。
肌がぶつかる音がリズミカルに鳴り、それに合わせて七隈が嬌声を上げる。


「あっ、もし妊娠、したらっ、ん、千紘くん、逃げちゃう?」

「は? 逃げるとか、クズすぎんだろっ。なに、いづみは俺がそんなクズだと、思ってるわけっ?」

「お、思ってないっ」


首をふるふると横に振る七隈にホッとする。
だけど、そろそろ本気でやばい。


「うー……もー、ムリ」

「あっ、千紘くん、出してっ」

「……あぁもう!」


腰を振る。
手を繋いで見つめ合う。

体に力が入る。
そろそろ終わりが近い。

最奥へと白濁液を注いだ。
力尽きて倒れ込む七隈を受けとめて抱きしめる。


――やば……幸せ……。


妊娠しても、しなくても、どちらにしても俺の結婚相手は七隈だけ。

俺が七隈を幸せにするし、七隈に俺を幸せにしてほしい。

こんなふうに思える相手に出会えるなんて。
そしてこうやって過ごす時間がこんなにも幸せなんて。


――そんなの聞いてないよ……!!



「……愛してる」

「私も、愛してます」

「俺と結婚してくれる?」

「……はい」

「よかった。ありがとう」


そんなの聞いてないけど、嘘も方便ってことで。


だって――、
いづみの頬をつたい落ちる涙さえも愛おしい。





*****

―― 終 ――


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