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それぞれの後編
第20章 サディスティック・マリッジ【あとがきのあと】
逃げたはいいが、部署は同じ。仕事に戻れば琉だってそこにいる。

溜め息混じりに戻った愛里咲は、琉の姿がないことに少しだけ安堵した。

暫くして戻ってきた琉の手の中に漆黒の包みはなく、またまた安堵する。


だけど───…

(まさかあの場に置き去りなんてことないよね⁉︎ )

そう思い立ってコソコソ様子を見に行ったけれど、昼休みに琉といたその場に落し物はなかった。

午後の仕事中、時折目は合うものの琉から何か言われることもない。


そうも静かだと、安堵ではなく不安になってくる。


(何だろう……嵐の前の静けさ……?)

先に帰宅した愛里咲の携帯も無言のまま。遅くなると言ったきりの琉から連絡はない。

食べ終えた食器を片付けながら、愛里咲の頭はフル回転していた。

(何で何も言ってこないの?あの包みはどうしちゃったの?)

聞くことの出来ない疑問が、愛里咲の頭の中をグルグル回る。

このまま琉が黙っているのなら、愛里咲も何も言わず、今回の件は時間と共に流れていくだろうか。

それならいいのに…と思いつつ、琉の悪魔の笑みが浮かぶ。あの笑みの前で、黙秘が許されるとは思えない。


(そもそも、何で何も言ってこないの?)

本当にここまで誤魔化せていたのだろうか。

(まさか全部知ってるの?)

疑心暗鬼に陥った愛里咲は、一つの結論にたどり着いた。


”夏川くんがどれ程キミを想っているか……その愛の深さを、知りたいだろ?”

エレベーターで副社長が言っていた言葉は、そっくりそのまま愛里咲に当てはまる。

”どれ程想っているか……その愛の深さを、知りたいだろ?”


「まさか……私を、試しているの?」

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