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私と彼の8日間
第15章 Ⅳ日目
「梓ちゃんがお前を好きだという気持ちが、薄っぺらいモノだとは思わなかったけどな。それはマサキもそうだろう?」
「けど..」
「マサキ、梓ちゃんは8日間だけの彼女だ。もうすぐ小説も書き終わる。彼女とはあと少しだ。いつものように何も考えなくていいんじゃないか?」
「....ああ..そうだな。」
(そうだ..梓とは8日間の関係..踏み込んでどうする。)
僕は頷くと立ち上がって部屋を出ようとした。
その時、親父が呟いた。
「..梓ちゃんとのことを報告するマサキは、生き生きしていたよ。」
「え..」
僕が振り返ると、親父は立ち上がってまた原稿用紙に向かった。
(親父..)
何もいわずペンを走らせる親父の背中を見て、僕は部屋を出た。
結局僕はその日、梓に連絡しなかった。
でもどこかで..梓から連絡くるのを待っていた。
遊園地のデートの時のように。