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不条理な恋 理不尽な愛
第2章 1
人通りの少ない道を、目的地に向かう。
もうすぐで駅だ。私は視界に入った駅ビルの建物に気を取られていた。
ドン。
誰かにぶつかり相手が持っていた荷物を道にばらまく。
「急いでいるので……
ごめんなさいね」
そう言って相手に詫びようと視線を合わせて私は目を見開いた……
「……」
相手の男も拾っていた荷物を持ったまま、こちらをじっと強い視線で見つめている。
私達はお互いにしばらく見つめ合っていた。
「ほぉちゃん?」
その呼び名を聞いた私は、凍りついた。
そして足に力が入らなくなりその場にへなへなと崩れ落ちる。
彼はその名を呼んだだけで、また散らばった荷物を拾い始める。私のように動揺はない。
全ての持ち物を拾い上げ袋に詰めると、
「ほぉちゃんだよね?ひさしぶり。元気にしてた?」
両手に紙袋を下げ、屈託のない笑顔で近づいてきてこともなげに私に尋ねてくる。
「本当に?」
驚く私の両手を取り、引っぱって立ち上がらせてくれた。
私は足が震えて、立っているのがやっとだった。信じられない現実に頭が回らない。
あの頃と変わらない屈託のない笑顔。右頬にあるエクボ。
そう思った瞬間に私の目の前は、気持ちと同様に歪んでぐちゃぐちゃになった。
もうすぐで駅だ。私は視界に入った駅ビルの建物に気を取られていた。
ドン。
誰かにぶつかり相手が持っていた荷物を道にばらまく。
「急いでいるので……
ごめんなさいね」
そう言って相手に詫びようと視線を合わせて私は目を見開いた……
「……」
相手の男も拾っていた荷物を持ったまま、こちらをじっと強い視線で見つめている。
私達はお互いにしばらく見つめ合っていた。
「ほぉちゃん?」
その呼び名を聞いた私は、凍りついた。
そして足に力が入らなくなりその場にへなへなと崩れ落ちる。
彼はその名を呼んだだけで、また散らばった荷物を拾い始める。私のように動揺はない。
全ての持ち物を拾い上げ袋に詰めると、
「ほぉちゃんだよね?ひさしぶり。元気にしてた?」
両手に紙袋を下げ、屈託のない笑顔で近づいてきてこともなげに私に尋ねてくる。
「本当に?」
驚く私の両手を取り、引っぱって立ち上がらせてくれた。
私は足が震えて、立っているのがやっとだった。信じられない現実に頭が回らない。
あの頃と変わらない屈託のない笑顔。右頬にあるエクボ。
そう思った瞬間に私の目の前は、気持ちと同様に歪んでぐちゃぐちゃになった。