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不条理な恋 理不尽な愛
第3章 2
本当は手放したくなかった。でも神様が一度決めたこと……

そして、この世に送り込むことが僕の生業だから仕方がない。

後ろ髪を引かれつつ、僕と過ごした短い大切な時間の記憶を消し、

カノジョをこの世に降ろした。

神様は自然の摂理に特別は認めてくださらなかった。


この世を生きて、こっちに戻ってきたら……

もう離さない。


僕はカノジョの魂をこの世に降ろす寸前、カノジョを僕の伴侶にしたいと申し出た。

僕ら神様の仕事をするものは、パートナーとして伴侶を自ら選ぶことが

一度だけ許されていた。だから僕はその権利を行使しようとした。

しかし、神様はいいとも悪いとも言われなかった。ただ

「お前がこれからどうするかで、カノジョとの事をどうするか決める……」

と意味ありげな事しか言わなかった。


つまり伴侶として選ばれるかはわからないという事。

それが決まっていれば、この一生くらいは我慢して待とうと思った。

でも、それが叶うかわからなくなった今、

どうしても、カノジョの運命を歪めることになっても、

彼女の人生に関わりたくなって……

その思いを秘めて、神様に懇願した。

今までの功績から特別に許された時間は、人間の時間にして2年。

定期的にカノジョの夢に現れ、用意周到に出会いを準備しながら、

僕はただひたすらその時を待った。
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