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少し愛して
第1章  出逢い
(3)
日曜日の夜、千佳は佑貴から電話が来ることを待っていた。
だが、何時になっても佑貴から電話が来ることはなかった。

もしかして、昨夜のキスのことは覚えてない?
と、思ったのである。

千佳は佑貴に連絡してみることにした。
スマホから電話番号を探す。

見つけるとタップして電話を掛けた。
呼び出し音が鳴っている。

「もしもし…」
「あぁ、福山くん?山崎だけど」

「あぁ、山崎さん。どうしたんですか?」
「昨夜の事覚えてる?」

「何のことですか?」
「え?」

千佳は言葉を失ったのである。
佑貴は昨夜の事を一切覚えていなかった様であった。

「昨夜、酔っぱらって私に何をしたのか覚えてないの?」
「え?俺、何かしましたか?」

「……」

千佳は言葉が出なかった。
それ程までにショックは大きかったのだ。



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