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少し愛して
第11章 秘密③
「ひとりで飲みに来てるの?」
「うん、そうよ。ひとりよ」
「じゃ、僕と一緒に飲まない?」
「うん、いいわ」
こうして二人は一緒に飲むようになっていった。
岩崎の容姿はいわゆるイケメンだった。
千佳は可愛い男性とイケメン男性に弱かった。
直ぐに、岩崎を気に入ったのは言うまでもなかった。
その岩崎も千佳のことを悪くは思っていなかった。
千佳はとても綺麗で可愛らしかった。
そんな二人が自然と惹かれ合うのに時間はかからなかった。
岩崎が聞いてくる。
「福山さんは彼氏いるの?」
「彼氏はいないけど夫がいるわ」
「なんだ、結婚してるのか…」
「でも、セックスレスなの…」
「それは、寂しいね…」
「とても寂しいわ…」
そう話すと千佳は黙ってしまった。
千佳はお酒を一気に飲み干した。
この居酒屋まといはとてもこぢんまりとした飲み屋だった。
カウンター席と奥に座敷が少しあるだけだったのだ。
岩崎が聞いてくる。