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少し愛して
第5章 同棲生活
千佳の部屋は玄関を入って右側の6帖のフローリングの部屋だった。
そこにベッドとドレッサー、パソコンが置いてあった。
佑貴の部屋は玄関を入って左側の6帖のフローリングの部屋だった。
そこにセミダブルのベッドとテレビにパソコンが置いてあった。
お互いの部屋のドアは締めずにレースのカーテンで仕切っていた。
その寝室が別々なことが後々問題になることを二人はまだ知らなかった。
この頃、千佳はまだ某大手電機メーカーに派遣で働いていた。
佑貴は車を購入するとその車で会社に行くようになっていた。
車で10分くらいのところである。
職種はシステムエンジニアだった。
千佳は朝5時に起きてはコーヒーを淹れて用意しておいた。
朝、佑貴はひとり起きてコーヒーを飲み新聞を読んで8時半ころに会社に行っていた。
千佳は6時には家を出て三田にある会社まで通っていた。
会社は朝8時45分からだったのだ。
江田から三田駅まで約2時間はかかったのである。
でも、そんなことはどうでもよかった。
佑貴と一緒に暮らせることがとても嬉しかったし幸せだったのだ。
そんなある日、佑貴は千佳にこう言った。
「千佳ちゃん、俺、ちゃんと貯金あるんだけど」
「え?そうだったの?」
「だって、社会人5年だったら300万は貯まるよ」
「え?そんなに持ってたの?」