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少し愛して
第1章  出逢い

翌日の日曜日…。
千佳は吉田の住む蒲田のマンションに来ていた。

「どうしても、福山がいいのか?」
「ええ、そうよ」

「福山のどこがいいんだ!!飲めば意識を失う程飲むし、酒癖も悪い…」
「そんなことはないわ…」

「福山は貯金なんてしてないぞ!!俺にはちゃんと蓄えだってある…」
「だから、なんなの?」

確かに佑貴は酒を飲むと前後不覚になる。
それほどお酒を飲むのだ。

“宵越しの金は持たない”タイプだと言えよう。
そんな佑貴に吉田は負けたくなかったのである。

千佳を佑貴には渡したくないと思っていた。
でも、千佳は佑貴をちゃんといつも見ていたのである。

佑貴と千佳の会社での席は向かい合わせだった。
千佳の席の真ん前が佑貴の席だったのだ。

始め、千佳は佑貴にはなんの興味も示さなかった。
年下には興味がなかったのだ。

だが、佑貴が後輩の世話をしている姿を見た時、その考えが変わったのだ。
福山くん、やるじゃない…そう思っていたのだ。

それから千佳は佑貴に興味を抱くようになった。
佑貴も千佳の事をそんなに悪く感じていなかった。

そんな二人が一緒に飲みに行くのにそんなに時間はかからなかった。
そのことを吉田は知っていたのだ。

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