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欲しいんでしょ
第8章 告げられた悪党
愛実ちゃんは手を後ろに組み、笑っている。
まるで今にも身体から音符マークが出そうなくらいに。
「先輩、泣かないでくださいよ。人生フラれる事なんて沢山あります。」
(見られてたのかな…)
「まっ、愛実ちゃん何でここに…?」
嗚咽で泣き声のあたし。
見られるのが少し嫌だった。
「あぁ、伝えに来ただけです。」
そう言って目だけは笑わずに言う。
「三谷先輩は私のもの…ってね」
「え?」
意味が分からない。
「私三谷先輩に告白したんです。
そしたらOKもらえたんですよ。」
おかしい。
だってあの時ちゃんと卓は断ったはずだもん。
(だから安心して…)
「でも愛実ちゃん、あの時は…」
「あ、見てたんですか?確かに一度フラれましたが考え直してくれたんです。」
「うそ…」
「私基本嘘つきませんから」
そして愛実ちゃんは一歩あたしに近づき言った。
「だから、早苗先輩はもう必要ありません。」